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2割特例

10月からインボイス制度が始まりました。いままで免税事業者だった方が10月から課税事業者になり、急に負担が、税金もそうだし事務の負担もそうですが、増えててんやわんやされているケースも多いかと思われます。

課税事業者になったとたんに多くの税額を持っていかれると恐れているかもしれませんが、今回免税事業者だった方がインボイス登録して課税事業者になった場合は、申告の際に使える特例があります。2割特例と呼ばれるものです。

消費税の計算は、売上その他課税収入の税額(例えば11,000円なら1,000円)から仕入や経費のうち課税の支出の税額(6,600円なら600円)を引いた分(1,000-600=400円)を税務署に納めます。これが本則課税です。収入や支出それぞれに、この計算に含めるものを含めないものがあります。

基準期間の売上高が5,000万円以下ならば、簡易課税も選択できます。これは業種によって仕入は何%か設定されており、売上高から自動的に税額を計算する仕組みです。例えば製造業なら、7割が仕入となっており、売上が11,000円ならば、1,000-(1,000*70%)=300円を税務署に納めます。実際の仕入がいくらかは関係ありません。実際の数字によって得する場合と損する場合があります。その年度が始まる前に届出を出すと使えます。

2割特例というのは、上記の簡易課税と同じ計算で、8割を仕入として計算していいという特例です。本則課税と簡易課税は、その事業年度が始まる前に届出を出さないと変えられませんが、この特例は、届出が不要なので、申告書を出す際に計算してみてこっちが有利と思ったら急遽こちらを選択して使って大丈夫です。もしすでに簡易課税の届出を出していて、その業種の仕入率が7割、6割、5割等で、2割特例の方が有利なら特例を使えます。もし簡易課税で卸売業(仕入率9割)ならばそのまま簡易課税の方が有利となります。

 令和8年9月30日の属する事業年度までなので、長くても4期ですが、使えるうちは検討しておいた方がいいかと思います。なお、もともとが課税事業者だった方は使えませんし、インボイス登録で免税事業者から課税事業者になった方でも、基準期間の売上が1,000万円を超えてしまっていれば期間内でも使えなくなりますのでご注意ください。

 

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